弘化2年(1845)に江釣子村大坊の法印、月光院から高橋弥惣治が伝授されていたとされ、現在で9代目の継承者となります。
月光院は、滑田の長根地区に所在する八坂神社の前身で、明治初年に修道場が廃止されるまで、江釣子村の荒屋地区にあった
大坊という天台寺院でした。これに関する資料として、大坊十文字には明治6年の「月光院宥道法印碑」が建立されています。
かつては山伏神楽の全演目が伝承され演じられていましたが、現在では権現舞のほか幕もの一番が伝承されています。
【演目の紹介】
神おろし
幕あけに際して、演奏でもって神座に神を迎える儀式です。
大乗神楽の舞は、この“神おろし”で始まり“神上げ”で終わります。
下舞(したまい)
神おろし(遷座儀礼)や神あげ(奉送儀礼)の際に舞われる儀礼舞です。
一種の神に対する感謝の舞や清めの舞とも考えられます。
踊り組によっても異なりますが、舞い手は一人から数人となり、
この舞が終えると神座から“権現様”が降ろされ「権現舞」に移行します。
舞い手の出で立ちは、常衣に袴を着け頭部に鉢巻きを締め白足袋姿で腰には錫杖と扇を差し、手に数珠を持って登場します。
権現舞(ごんげんまい)
火防せ息災延命などを祈る祈祷舞であり、下舞と権現舞からなります。
下舞は脱垂姿で錫杖と扇・数珠・手印相で一人で舞います。
権現舞は二人立で一人が幕の後ろを持ち、もう一人が頭部分を持って葉打ちや四方拝を行います。
これらから、歳祝いや新築祝い、誕生日祝いなどで祈祷舞をする所以です。