(岩崎よそじま神楽)
山伏神楽では、獅子頭を権現と呼び、それを持って舞う「権現舞」は必ず演じなければならない演目です。ところが南部神楽には権現舞が伝わっておらず、祈祷を主目的とする山伏神楽とは違い、庶民の娯楽芸能として定着しました。
南部領内の伝承ではないのに、なぜ「南部」と呼ばれるのかについては、岩手県南を意味するのか、陸中国の南部地方に伝承するからなのか、その理由は明らかではありません。
この神楽が「南部神楽」として確立するのは、神仏分離後の明治時代初期からであり、それ以前に伝承された神楽は、伝承当時には州剣道場が伝えた神楽として舞われていたのです。(出典:いわて民俗芸能入門)